わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
そんな二人の結婚式は、身内だけの小さな式であった。というのも、誓約書を出してから日が経っているのと、クラリスが社交界からは毒女と呼ばれていたのと、ユージーン自身も社交界からめっきり遠ざかっていたのと、そして何よりもクラリスがそう望んだのと。
離婚するとわかっているのに、多くの人に祝われたくなかったのだ。
だというのに、そこに国王までいたのは二人の結婚の証人だからだろう。さらにアルバートやハリエッタの姿まであったのは驚いた。よほど二人の結婚の行く末を見守りたいのか、それとも本当に結婚するのかと疑っていたのか。
小さな式を終えたとき、クラリスは手にしていたブーケをハリエッタに手渡した。
「クラリス様、おきれいですわ」
「ありがとうございます、ハリエッタ様。ハリエッタ様のご紹介で、このような素敵な方と出会うことができました」
社交辞令の言葉はすらすらと出てきた。
「ウォルター領であれば、クラリス様が気に入ると思いましたの」
やはりハリエッタは、ウォルター領に豊富な毒があることを知っていたようだ。クラリスにとってウォルター領は理想の地であるのは否定しない。
そのままハリエッタと幾言か言葉を交わしてから、クラリスは家族とユージーンと共にベネノ侯爵邸の別邸へと戻った。
離婚するとわかっているのに、多くの人に祝われたくなかったのだ。
だというのに、そこに国王までいたのは二人の結婚の証人だからだろう。さらにアルバートやハリエッタの姿まであったのは驚いた。よほど二人の結婚の行く末を見守りたいのか、それとも本当に結婚するのかと疑っていたのか。
小さな式を終えたとき、クラリスは手にしていたブーケをハリエッタに手渡した。
「クラリス様、おきれいですわ」
「ありがとうございます、ハリエッタ様。ハリエッタ様のご紹介で、このような素敵な方と出会うことができました」
社交辞令の言葉はすらすらと出てきた。
「ウォルター領であれば、クラリス様が気に入ると思いましたの」
やはりハリエッタは、ウォルター領に豊富な毒があることを知っていたようだ。クラリスにとってウォルター領は理想の地であるのは否定しない。
そのままハリエッタと幾言か言葉を交わしてから、クラリスは家族とユージーンと共にベネノ侯爵邸の別邸へと戻った。