わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
「君は、何に怯えている? 俺は必ず君を幸せにすると、約束する」
その言葉にクラリスは首を振る。
「わたくしと一緒にいたら、旦那様は不幸になります」
「ならない。君を手放すことを考えるほうが不幸だ」
またクラリスはふるふると顔を振った。
「わたくしは、毒師です」
「知っている」
「ただの毒師ではありません。毒という毒、薬という薬がまったく効きません。それだけでなく、定期的に毒を飲まないと死んでしまいます。そのような面倒くさい女と、何もわざわざ一緒になる必要はないでしょう?」
なるほど、とユージーンは頷いた。
「君が気にしていたのは、そんなことか」
「そんなこと? 大事なことです」
「だが、俺からしたらちっぽけなことだ。俺だって毎日、酒を飲む。君が毒を飲むのは、俺が酒を飲むのと同じようなものだろう?」
「違うと思います。旦那様はお酒を飲まなくても死にませんが、わたくしは毒を飲まなければ死にます」
「俺だって、食事をとらなければ死ぬぞ? クラリスの毒も、それと似たようなものだろう?」
「そ、それは……」
その言葉にクラリスは首を振る。
「わたくしと一緒にいたら、旦那様は不幸になります」
「ならない。君を手放すことを考えるほうが不幸だ」
またクラリスはふるふると顔を振った。
「わたくしは、毒師です」
「知っている」
「ただの毒師ではありません。毒という毒、薬という薬がまったく効きません。それだけでなく、定期的に毒を飲まないと死んでしまいます。そのような面倒くさい女と、何もわざわざ一緒になる必要はないでしょう?」
なるほど、とユージーンは頷いた。
「君が気にしていたのは、そんなことか」
「そんなこと? 大事なことです」
「だが、俺からしたらちっぽけなことだ。俺だって毎日、酒を飲む。君が毒を飲むのは、俺が酒を飲むのと同じようなものだろう?」
「違うと思います。旦那様はお酒を飲まなくても死にませんが、わたくしは毒を飲まなければ死にます」
「俺だって、食事をとらなければ死ぬぞ? クラリスの毒も、それと似たようなものだろう?」
「そ、それは……」