わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
ユージーンだって二十六歳になった。兄弟もおらず両親を失っているユージーンにとって、次期辺境伯の話題があがると耳が痛い。
それもあって、どこかの世話好きな貴族たちは、ユージーンが二十歳になった頃から家柄や年代の釣り合うような女性を紹介してくれた。その女性と会ったこともあるし、この城館に招待したこともある。
しかし彼女たちにとって、辺境伯夫人という立場は荷が重いようだ。会って話をして城を案内して、それきり。今までの縁談は女性のほうから断られている。
それなのに、国王がクラリスとの結婚を命じてきたわけだ。
「まあ、彼女も俺の提案を受け入れてくれるそうだから、彼女とは結婚をしようと思う」
「でも、僕は思ったんです。ユージーン様が結婚すると、皆、喜ぶでしょう? となれば離婚すれば悲しみますよね?」
「おいおい、何を言いたいんだ? いっていることがコロコロと変わりすぎだろう?」
「僕だって複雑な気持ちなんですよ。ユージーン様には幸せな結婚をしてもらいたい。だからその相手が毒女でいいのかって。だけど、この手紙を見ている限りですと、僕の知っているクラリス嬢と手紙の彼女は異なる。まったくわけがわかりません」
もう少しクラリス・ベネノという女性を知る必要があるだろう。国王に正式な返事をする前に、彼女と顔を合わせることができればいいのだが、そうなればこの縁談は互いに受け入れたものだと思われてしまう。
となれば、やはり手紙で相手を探るしかない。
それもあって、どこかの世話好きな貴族たちは、ユージーンが二十歳になった頃から家柄や年代の釣り合うような女性を紹介してくれた。その女性と会ったこともあるし、この城館に招待したこともある。
しかし彼女たちにとって、辺境伯夫人という立場は荷が重いようだ。会って話をして城を案内して、それきり。今までの縁談は女性のほうから断られている。
それなのに、国王がクラリスとの結婚を命じてきたわけだ。
「まあ、彼女も俺の提案を受け入れてくれるそうだから、彼女とは結婚をしようと思う」
「でも、僕は思ったんです。ユージーン様が結婚すると、皆、喜ぶでしょう? となれば離婚すれば悲しみますよね?」
「おいおい、何を言いたいんだ? いっていることがコロコロと変わりすぎだろう?」
「僕だって複雑な気持ちなんですよ。ユージーン様には幸せな結婚をしてもらいたい。だからその相手が毒女でいいのかって。だけど、この手紙を見ている限りですと、僕の知っているクラリス嬢と手紙の彼女は異なる。まったくわけがわかりません」
もう少しクラリス・ベネノという女性を知る必要があるだろう。国王に正式な返事をする前に、彼女と顔を合わせることができればいいのだが、そうなればこの縁談は互いに受け入れたものだと思われてしまう。
となれば、やはり手紙で相手を探るしかない。