わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
どこに連れていかれるのか。
もしかしてクラリスだけ置いて行かれるかもしれない。狙いがハリエッタであるなら、その可能性は大いにある。そのときは、絶対にこの手を離してはならない。
そんなことを考えながら、誰かが来るのを今か今かと待っていた。
「……おい。女が二人いるぞ。どっちだ?」
「青い髪の女だ」
(え?)
クラリスの心臓は大きく跳ねた。
ハリエッタの髪の色は金色。そして青い髪というのは、クラリスの空色の髪を言っているにちがいない。
(わたくし? 彼らの狙いはハリエッタ様ではなく、わたくしなの?)
狙われる理由に心当たりはまったくない。嫌われ役を買っていたけれども、恨まれるようなことはしていない。
だけどここで彼らに抵抗したとしても、ハリエッタを危険に晒すだけ。声から察するに男が二人いるのはわかるが、それだって最低二人であって、他にも仲間がいるかもしれない。
となれば、ここはおとなしくクラリス一人が彼らに捕まるのが、無難なのではないだろうか。
もしかしてクラリスだけ置いて行かれるかもしれない。狙いがハリエッタであるなら、その可能性は大いにある。そのときは、絶対にこの手を離してはならない。
そんなことを考えながら、誰かが来るのを今か今かと待っていた。
「……おい。女が二人いるぞ。どっちだ?」
「青い髪の女だ」
(え?)
クラリスの心臓は大きく跳ねた。
ハリエッタの髪の色は金色。そして青い髪というのは、クラリスの空色の髪を言っているにちがいない。
(わたくし? 彼らの狙いはハリエッタ様ではなく、わたくしなの?)
狙われる理由に心当たりはまったくない。嫌われ役を買っていたけれども、恨まれるようなことはしていない。
だけどここで彼らに抵抗したとしても、ハリエッタを危険に晒すだけ。声から察するに男が二人いるのはわかるが、それだって最低二人であって、他にも仲間がいるかもしれない。
となれば、ここはおとなしくクラリス一人が彼らに捕まるのが、無難なのではないだろうか。