わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
「これから調査のために、もっと人が入ってきます。外に馬車を呼んでありますから、姉様たちはさっさと屋敷に戻ってください」
デリックに背中を押されるようにして、建物の外へと追い出された。そこには彼が言っていた通り、馬車が用意されている。
ユージーンと二人でそれに乗り込んだ。
「……旦那様?」
馬車はゆっくりと動き出したものの、ユージーンは苦しそうに顔をしかめている。
「す、すまない。毒は飲んでいないし、口に含むだけなら問題ないかと……。君にあれを飲ませようとしたが、なかなか飲んでくれなかったからな」
だから、ユージーンが一度口に含んで、クラリスに口移しで毒を飲ませたとのことだった。
「毒は口に含んだだけで、その粘膜を通じて体内に吸収されていきます。また、自分では飲んでいないと思っていても、気づかぬうちに、少しは飲んでいるものなのです」
「……そうか」
「申し訳ありません。今、解毒薬が手元になくて……屋敷に戻れば……」
解毒薬はその症状に合わせて使う必要がある。だから、万が一に備えて持ち歩くといっても、膨大な量になってしまうのだ。
デリックに背中を押されるようにして、建物の外へと追い出された。そこには彼が言っていた通り、馬車が用意されている。
ユージーンと二人でそれに乗り込んだ。
「……旦那様?」
馬車はゆっくりと動き出したものの、ユージーンは苦しそうに顔をしかめている。
「す、すまない。毒は飲んでいないし、口に含むだけなら問題ないかと……。君にあれを飲ませようとしたが、なかなか飲んでくれなかったからな」
だから、ユージーンが一度口に含んで、クラリスに口移しで毒を飲ませたとのことだった。
「毒は口に含んだだけで、その粘膜を通じて体内に吸収されていきます。また、自分では飲んでいないと思っていても、気づかぬうちに、少しは飲んでいるものなのです」
「……そうか」
「申し訳ありません。今、解毒薬が手元になくて……屋敷に戻れば……」
解毒薬はその症状に合わせて使う必要がある。だから、万が一に備えて持ち歩くといっても、膨大な量になってしまうのだ。