わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
結婚の相手はユージーン・ウォルター。年はクラリスよりも五つ上の二十六歳で、アルバートと同い年だそうだ。
クラリス宛に縁談が届いたとき、両親は大喜びだった。
両親はきっとクラリスが一生結婚しないものだと思っていたのだろう。むしろクラリスはそのつもりだった。
だけどハリエッタとアルバートが共謀してクラリスの結婚相手を決めた。
クラリスからしてみれば断れない縁談であっても、向こうはそうでもないかもしれない。魔獣討伐団の団長であり、辺境伯。ただの侯爵令嬢であるクラリスよりも、ものすごく立派な身分の方である。だから、あわよくば彼のほうからこの縁談を断ってくれないかなぁなんて思っていた。
そう思っていた矢先、ユージーンから手紙が届いた。
手紙を読んだとき、目から鱗がボロボロと落ちた。
(ウォルター伯は、天才では?)
そんな気持ちがクラリスの中に生まれた。
ユージーンからの手紙に書いてあるとおり、結婚しろと国王は命じたが、離婚するなとは命じていない。つまり、一度結婚という事実を作ったうえで、お互い、時期をみて円満に離婚しようという提案であった。
裏を返せば、ユージーンも権力には逆らえないということ。
クラリス宛に縁談が届いたとき、両親は大喜びだった。
両親はきっとクラリスが一生結婚しないものだと思っていたのだろう。むしろクラリスはそのつもりだった。
だけどハリエッタとアルバートが共謀してクラリスの結婚相手を決めた。
クラリスからしてみれば断れない縁談であっても、向こうはそうでもないかもしれない。魔獣討伐団の団長であり、辺境伯。ただの侯爵令嬢であるクラリスよりも、ものすごく立派な身分の方である。だから、あわよくば彼のほうからこの縁談を断ってくれないかなぁなんて思っていた。
そう思っていた矢先、ユージーンから手紙が届いた。
手紙を読んだとき、目から鱗がボロボロと落ちた。
(ウォルター伯は、天才では?)
そんな気持ちがクラリスの中に生まれた。
ユージーンからの手紙に書いてあるとおり、結婚しろと国王は命じたが、離婚するなとは命じていない。つまり、一度結婚という事実を作ったうえで、お互い、時期をみて円満に離婚しようという提案であった。
裏を返せば、ユージーンも権力には逆らえないということ。