わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
「クラリス様、お体のほうは大丈夫ですか?」
「ええ。移動中もなんとか、これを飲んでいたから大丈夫よ」
クラリスは首からぶら下げた小瓶をメイに見せつける。
「安心いたしました」
「でも、そういえばユージーン様はご存知なのかしら?」
「何が、ですか?」
「わたくしの体質のことよ」
アルバートは、どこまでクラリスのことをユージーンに伝えているのだろうか。
「縁談をとりもったのが殿下ですから、ある程度のことはお伝えしているのではないでしょうか」
「そうよね。結婚した相手が、毎日、毒を飲んでいたら驚くものね」
「それを知っていて、この結婚を受け入れてくれたのですよ」
「わたくしも、てっきり知っているものと思っていたから、特に手紙には書かなかったのだけれども」
クラリスは毎日、毒を飲まなければならない体質である。その特異体質を生かして、表向きは薬師として王城に勤めていた。解毒薬を作ったり、毒薬を作ったり。他にも薬と呼ばれるものであれば、痺れ薬やら興奮剤やらなんやら作る。もちろん、体調を整える薬も作れるので、解熱剤やら栄養剤やらも作る。作った薬は王城でしっかりと管理している。
「ええ。移動中もなんとか、これを飲んでいたから大丈夫よ」
クラリスは首からぶら下げた小瓶をメイに見せつける。
「安心いたしました」
「でも、そういえばユージーン様はご存知なのかしら?」
「何が、ですか?」
「わたくしの体質のことよ」
アルバートは、どこまでクラリスのことをユージーンに伝えているのだろうか。
「縁談をとりもったのが殿下ですから、ある程度のことはお伝えしているのではないでしょうか」
「そうよね。結婚した相手が、毎日、毒を飲んでいたら驚くものね」
「それを知っていて、この結婚を受け入れてくれたのですよ」
「わたくしも、てっきり知っているものと思っていたから、特に手紙には書かなかったのだけれども」
クラリスは毎日、毒を飲まなければならない体質である。その特異体質を生かして、表向きは薬師として王城に勤めていた。解毒薬を作ったり、毒薬を作ったり。他にも薬と呼ばれるものであれば、痺れ薬やら興奮剤やらなんやら作る。もちろん、体調を整える薬も作れるので、解熱剤やら栄養剤やらも作る。作った薬は王城でしっかりと管理している。