わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
「どうか僕のことはネイサンとお呼びください、奥様」
「ネイサンは、アルバート殿下の婚約披露パーティーに出席されていましたよね?」
クラリスが微笑めば、ネイサンは面食らった様子を見せる。
「覚えていらっしゃったのですか? 僕は長居したわけでもありませんし、殿下とは形式的な挨拶をしただけです。ユージーン様の代理としての出席でしたので」
「はい。わたくし、殿下がお会いした方は、全員、覚えているのです」
それもクラリスの特技の一つである。アルバートの腰巾着と呼ばれるくらいひっついていたから、彼が誰かと会うときも必ず側にいた。そしてその人物の顔を覚え、アルバートの敵か味方かを把握する。
「あのときは、見苦しいものをお見せして申し訳ありませんでした」
クラリスの言葉にネイサンは目を丸くした。
「ああしなければならない状況であったのですが、わたくしがうまく立ち振る舞えなかったばかりに、アルバート殿下にもハリエッタ様にもご迷惑をおかけしてしまって」
「それでは、あのときの奥様のお姿は本来のお姿ではないと?」
「ネイサンは、アルバート殿下の婚約披露パーティーに出席されていましたよね?」
クラリスが微笑めば、ネイサンは面食らった様子を見せる。
「覚えていらっしゃったのですか? 僕は長居したわけでもありませんし、殿下とは形式的な挨拶をしただけです。ユージーン様の代理としての出席でしたので」
「はい。わたくし、殿下がお会いした方は、全員、覚えているのです」
それもクラリスの特技の一つである。アルバートの腰巾着と呼ばれるくらいひっついていたから、彼が誰かと会うときも必ず側にいた。そしてその人物の顔を覚え、アルバートの敵か味方かを把握する。
「あのときは、見苦しいものをお見せして申し訳ありませんでした」
クラリスの言葉にネイサンは目を丸くした。
「ああしなければならない状況であったのですが、わたくしがうまく立ち振る舞えなかったばかりに、アルバート殿下にもハリエッタ様にもご迷惑をおかけしてしまって」
「それでは、あのときの奥様のお姿は本来のお姿ではないと?」