学園トップの総長様が私に何か用がある?

2話、テストまであと一ヶ月?!

 「1年A組のみんな、入学おめでとう!早速で悪いが、あと1ヶ月後に新入生テストがある。テスト範囲は中学の復習、あとは高校で新しく習ったところだな。」

…えぇ?

私たちはそもそも担任の先生の名前も知らないし、テストがあることも初耳。

要するに、キャパオーバーということだね。

 「すみません…先生。お名前は…?」

クラスの女子が聞いた。

 「あ〜、そうだったな。俺は東堂 楼去(トウドウ ルイ)だ。まあ、東堂先生とでも呼んでくれ。頭いい子のことは干渉しない。頭いいやつはメイクでも髪染めるでもなんでもしてきていいぞ。」

クラスがざわざわし始める。

 「じゃあ、現時点で遊んでいい奴ってどれぐらいいるんすか?」

クラスの陽キャ男子がニヤニヤしながら聞く。

…そんなに受験のテストに自信があったのかな…?

 「そうだな…。まあ、華永くらいじゃないか?学年で見ても、華永くらいだろう。」

お〜、と騒がしくなるクラスに、1人うつむいている。

そのことをまだ私は知らなかった。
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