チャラ男の裏が一途すぎる。
「え?暇なの?じゃあ俺と遊ぼーよ」

「結構です」


彼は篠原優良くん、高校一年生だ。


一方私は七原美由。平凡な高校2年生である。


放課後、2年生の教室に勝手に入り勉強している私の顔をのぞいてくる彼。


「どう?みーちゃんはこういう男が好きなんでしょ?」

「ゆうがするならちがう」


呼び方が特殊な私たちは、腐れ縁である。



「……わかりましたよ、みー先輩」


私の髪の毛を撫でて、愛猫でも愛おしそうに見つめるようにする。


彼が高校生になってやけに他人と絡むようになったのも、

髪を染めたのも

痛いことが苦手なのにピアスをたくさん開けたのも


「……せーんぱい、どうしたら俺のこと見てくれますか?」


私のせいなのかもしれない。


彼の目はどこか狂気的で、いつでも私を取り込もうとしているようだった。


とびっきり甘い声を出すのも、私の前でだけなのかな、


「どーしたら、いいと思う?」

「わかんないです、先輩じゃないんで」


苦笑いした彼は、私が世界で一番好きな人。
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