顔が良い妹の方が相応しいと婚約破棄したではありませんか。妹が無能だったなんて私の知ったことではありません。
18.成果を待って
イルヴァド様は、しばらくラスタリア伯爵家に滞在することになった。
今、ウェディバー伯爵家の屋敷に帰っても良いことは少ない。それならこちらの屋敷で、これからのことを綿密に話し合った方がいいということになったのだ。
とはいえ、四六時中話し合っているという訳でもない。基本的に、私達はルルメリーナの成果待ちだ。そちらに動きがあるまで、しばらくは待機することになるだろう。
「しかし、ルルメリーナ嬢は本当に母上や兄上を打ち負かすことができるのでしょうか?」
「……実の所、それについては私もあまり自信を持っている訳ではないのです」
「そうなのですか?」
「ええ、そうなのです」
イルヴァド様に対して、私は割と素直なことを述べている。
彼とは知らない仲という訳でもない。それ故に最初から少なからず親しみを覚えていた。
しかも彼は、アデルバ様と違って友好的である。だからだろうか、ついつい素で話してしまうのだ。
それはともすれば良くないことなのかもしれない。そう思ってお兄様やお母様に相談したが、特に問題ないと言われた。
警戒などは自分達がするため、私は友好的に接することで相手の心に入り込んでもらいたい。二人はそのように考えているようである。
「まあ、両親やお兄様なんかは何かしらの思惑があるみたいですから」
「ルルメリーナ嬢には、何かあるのでしょうかね?」
「ええ、それに気付けない私がまだまだ未熟であるということなのでしょう」
とりあえず私は、自分の発言を適当に誤魔化しておいた。
私が侮られるのは別に構わない。ただ、お父様やお兄様が侮られるのは困ることだ。
だから、実質的にルルメリーナに何があるかわかっているのがお母様だけなんて、口が裂けても言えないことである。
「リフェリナ嬢は、充分にしっかりとした女性であると僕は思っていますがね……」
「そう思っていただけているなら、嬉しい限りです。でも、私ももっと精進しなければならないと常日頃から感じているのです。特にお兄様なんかを見ていると、そう思います」
「なるほど、優れた兄を持つというのも悩みの種ということですか……しかし、僕からしてみれば羨ましい限りですよ。僕の兄上には、色々と問題がありますからね」
「問題ですか……」
イルヴァド様の言葉に、私は苦笑いを浮かべていた。
確かに、アデルバ様は少々問題がある。私を追い返したのもそうだ。彼は少々、いやかなり無神経な所がある。
カルメア様もそれに加担しているのが、厄介な所だ。そんな二人に対して、ルルメリーナはどう立ち回っているのだろうか。それが私は、気になっていた。
今、ウェディバー伯爵家の屋敷に帰っても良いことは少ない。それならこちらの屋敷で、これからのことを綿密に話し合った方がいいということになったのだ。
とはいえ、四六時中話し合っているという訳でもない。基本的に、私達はルルメリーナの成果待ちだ。そちらに動きがあるまで、しばらくは待機することになるだろう。
「しかし、ルルメリーナ嬢は本当に母上や兄上を打ち負かすことができるのでしょうか?」
「……実の所、それについては私もあまり自信を持っている訳ではないのです」
「そうなのですか?」
「ええ、そうなのです」
イルヴァド様に対して、私は割と素直なことを述べている。
彼とは知らない仲という訳でもない。それ故に最初から少なからず親しみを覚えていた。
しかも彼は、アデルバ様と違って友好的である。だからだろうか、ついつい素で話してしまうのだ。
それはともすれば良くないことなのかもしれない。そう思ってお兄様やお母様に相談したが、特に問題ないと言われた。
警戒などは自分達がするため、私は友好的に接することで相手の心に入り込んでもらいたい。二人はそのように考えているようである。
「まあ、両親やお兄様なんかは何かしらの思惑があるみたいですから」
「ルルメリーナ嬢には、何かあるのでしょうかね?」
「ええ、それに気付けない私がまだまだ未熟であるということなのでしょう」
とりあえず私は、自分の発言を適当に誤魔化しておいた。
私が侮られるのは別に構わない。ただ、お父様やお兄様が侮られるのは困ることだ。
だから、実質的にルルメリーナに何があるかわかっているのがお母様だけなんて、口が裂けても言えないことである。
「リフェリナ嬢は、充分にしっかりとした女性であると僕は思っていますがね……」
「そう思っていただけているなら、嬉しい限りです。でも、私ももっと精進しなければならないと常日頃から感じているのです。特にお兄様なんかを見ていると、そう思います」
「なるほど、優れた兄を持つというのも悩みの種ということですか……しかし、僕からしてみれば羨ましい限りですよ。僕の兄上には、色々と問題がありますからね」
「問題ですか……」
イルヴァド様の言葉に、私は苦笑いを浮かべていた。
確かに、アデルバ様は少々問題がある。私を追い返したのもそうだ。彼は少々、いやかなり無神経な所がある。
カルメア様もそれに加担しているのが、厄介な所だ。そんな二人に対して、ルルメリーナはどう立ち回っているのだろうか。それが私は、気になっていた。