顔が良い妹の方が相応しいと婚約破棄したではありませんか。妹が無能だったなんて私の知ったことではありません。
74.婚約について(モブ視点)
「えっと、ルルメリーナ嬢は婚約の何について悩んでいるのでしょうか?」
「うーん、それはわかりません」
「例えば、婚約そのものについて不安を感じているとか、ですか? 結婚したくないと思っているとか」
「結婚したくない、ですか? うーん、どうなんでしょう?」
イルヴァドの質問に対して、ルルメリーナは曖昧な回答を返していた。
彼女自身が悩みを理解していないのは、中々に厄介なものである。困った顔をしているイルヴァドを見ながら、ノルードは頭を抱えていた。
まずはその悩みがなんなのかを解き明かさなければならない。そう思ったノルードは、ネセリアの方を見る。
「ルルメリーナ様、もしかして婚約者について何か理想などがおありですか?」
「え?」
「こういった男性が好みであるとか、そういった事柄です。その理想を叶えられるか、不安を感じているのではありませんか?」
「うーん、理想とかはそんなにないかも」
ネセリアの言葉に、ルルメリーナはゆっくりと首を振った。
婚約者について、そこまで気にしていないということは、具体的な相手がいるという訳でもなさそうだ。となると、やはり結婚そのものに悩んでいるのではないか。ノルードは、そう思った。
「イルヴァド様、貴族の結婚というものは、難しいものなのでしょうか?」
「難しいということでも、ないとは思いますよ。ルルメリーナ嬢の場合は、お父上が婚約を決めるということになりますが……基本的にはどこかの嫡子に嫁ぐことが望ましいでしょうね」
「つまり、貴族の夫人になるということでしょうか?」
「ええ、まあもちろん、ノルードさんやネセリアさんのご両親のような場合もありますね。使用人などとして生きていくとか」
ノルードの質問に、イルヴァドはすらすらと答えてくれた。
それはもちろん、ありがたいものである。ただ、ノルードは思っていた。ルルメリーナが、使用人として生きていくのは無理ではないかと。
彼女は、中々に奔放な性格である。礼儀や作法を重んじる使用人には、向いているとは思えない。
ただ、同時にノルードは思った。それは別に、貴族の夫人になっても変わらないと。
ルルメリーナには、もしかしたら貴族には向いていないのかもしれない。ノルードは、そんなことを思ってしまった。
「うーん、どれも私には難しそうですね」
「そうでしょうか? ルルメリーナ嬢なら、なんだかんだ上手くやれると思いますが」
「そうですかねぇ」
ルルメリーナの将来について、ラスタリア伯爵夫妻はどう思っているのか。ノルードはそれが気になっていた。
具体的に考えていないということもないだろう。ルルメリーナにも、両親と話すことを勧めた方がいいかもしれない。ノルードは、そんなことを思うのだった。
「うーん、それはわかりません」
「例えば、婚約そのものについて不安を感じているとか、ですか? 結婚したくないと思っているとか」
「結婚したくない、ですか? うーん、どうなんでしょう?」
イルヴァドの質問に対して、ルルメリーナは曖昧な回答を返していた。
彼女自身が悩みを理解していないのは、中々に厄介なものである。困った顔をしているイルヴァドを見ながら、ノルードは頭を抱えていた。
まずはその悩みがなんなのかを解き明かさなければならない。そう思ったノルードは、ネセリアの方を見る。
「ルルメリーナ様、もしかして婚約者について何か理想などがおありですか?」
「え?」
「こういった男性が好みであるとか、そういった事柄です。その理想を叶えられるか、不安を感じているのではありませんか?」
「うーん、理想とかはそんなにないかも」
ネセリアの言葉に、ルルメリーナはゆっくりと首を振った。
婚約者について、そこまで気にしていないということは、具体的な相手がいるという訳でもなさそうだ。となると、やはり結婚そのものに悩んでいるのではないか。ノルードは、そう思った。
「イルヴァド様、貴族の結婚というものは、難しいものなのでしょうか?」
「難しいということでも、ないとは思いますよ。ルルメリーナ嬢の場合は、お父上が婚約を決めるということになりますが……基本的にはどこかの嫡子に嫁ぐことが望ましいでしょうね」
「つまり、貴族の夫人になるということでしょうか?」
「ええ、まあもちろん、ノルードさんやネセリアさんのご両親のような場合もありますね。使用人などとして生きていくとか」
ノルードの質問に、イルヴァドはすらすらと答えてくれた。
それはもちろん、ありがたいものである。ただ、ノルードは思っていた。ルルメリーナが、使用人として生きていくのは無理ではないかと。
彼女は、中々に奔放な性格である。礼儀や作法を重んじる使用人には、向いているとは思えない。
ただ、同時にノルードは思った。それは別に、貴族の夫人になっても変わらないと。
ルルメリーナには、もしかしたら貴族には向いていないのかもしれない。ノルードは、そんなことを思ってしまった。
「うーん、どれも私には難しそうですね」
「そうでしょうか? ルルメリーナ嬢なら、なんだかんだ上手くやれると思いますが」
「そうですかねぇ」
ルルメリーナの将来について、ラスタリア伯爵夫妻はどう思っているのか。ノルードはそれが気になっていた。
具体的に考えていないということもないだろう。ルルメリーナにも、両親と話すことを勧めた方がいいかもしれない。ノルードは、そんなことを思うのだった。