野獣と噂の王太子と偽りの妃
その日の夜。

ベッドに入ったマルクスがプリムローズを抱き寄せると、プリムローズはマルクスの胸に頬を寄せて身を預ける。

「結婚式、とっても素敵でしたね。レイチェルは美しいし、サミュエルもかっこよくて」
「そうだな。俺も二人の幸せそうな姿に嬉しくなったよ」
「わたくしもです。ここでみんな一緒に暮らせることが、何よりも幸せです」

マルクスはプリムローズの髪をなでると、改めて想いを口にする。

「プリムローズ。そなたが俺の妃になってくれて、本当に嬉しい。俺はそなたに大きな力をもらった。そなたがいてくれるなら、俺はどんなことでもやり遂げてみせる。そなたのおかげでそう思えるんだ。ありがとう、プリムローズ」

マルクスに真っ直ぐに見つめられ、プリムローズははにかんだ笑みを浮かべた。

「わたくしこそ、マルクス様のおかげで幸せでいられます。あなたのそばがわたくしの居場所。わたくしが進むべき道は、あなたと同じ道。あなたの愛に包まれて、わたくしは生きる喜びを感じられるのです。ありがとうございます、マルクス様」

マルクスはプリムローズの瞳を見つめると、ゆっくりと顔を寄せて、優しくキスをする。

プリムローズが甘く吐息をもらすと、マルクスは更に深く口づけた。

「心から愛している。俺の、俺だけのプリムローズ」
「マルクス様…。わたくしも、誰よりもあなたを愛しています」
「プリムローズ…」

やがて何も考えられなくなった二人は、本能のままに互いを求め合う。

心を重ね、身体を重ね、込み上げる愛しさのまま、互いの愛に身を委ねていた。
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