野獣と噂の王太子と偽りの妃
汗を流してから着替えたマルクスが部屋に行くと、テーブルの上には所狭しと料理が並んでいた。

「うわ、すごいご馳走だな」
「ふふっ、たくさん召し上がってくださいね。デザートもありますから」
「オレンジの?」
「ええ、もちろん」
「楽しみだな。まずは料理をいただこう」

マルクスとサミュエルは、パクパクと勢い良く料理を平らげていく。

プリムローズはレイチェルと微笑み合って、そんな二人の様子を嬉しそうに見守っていた。

デザートにオレンジのブランマンジェを食べ終えると、プリムローズはマルクスをベッドに促す。

「とにかく少し休んでください」

サミュエルもレイチェルに連れられて仮眠を取りに行き、マルクスは隣の寝室で横になった。
< 39 / 114 >

この作品をシェア

pagetop