野獣と噂の王太子と偽りの妃
クリスマスパーティー
更に二週間が過ぎ、十二月になった。
(国王陛下は、私をどうなさるおつもりなのかしら)
結局プリムローズは何も聞かされず、このあとどうするかも分からないまま、ただ毎日をやり過ごしているだけだった。
(マルクス様はお元気かしら?近くにいるのに会えないなんて…。ほんの少しだけでも、離れの様子を見に行けたらいいのに)
だが部屋から出ると侍女に、エントランスから出ると近衛隊に取り囲まれる為、とてもじゃないが一人で抜け出したりはできない。
どうにかして国王に会えたら、その時は、一度だけでも離れに行きたいとお願いしてみよう、とプリムローズは考えていた。
そんなある日。
「え?クリスマスパーティー、ですか?」
侍女から、週末に宮殿の大広間で開かれるクリスマスパーティーに出席するように言われて、プリムローズは戸惑う。
「どうしてわたくしが?国王陛下主催のパーティーなのですよね?ゲストの皆様も、そうそうたるお方ばかりでしょうし」
「今回のパーティーは、若い方々も多くお招きしています。プリムローズ様とお話も合うだろうということで、国王陛下は是非ともプリムローズ様にも出席して欲しいと仰せです」
「そうなのですね、分かりました。身に余るお話ですが、謹んで出席させていただきたく」
「承知いたしました。そのように国王陛下に申し上げます」
そして心の準備もできないうちに、週末がやってきた。
(国王陛下は、私をどうなさるおつもりなのかしら)
結局プリムローズは何も聞かされず、このあとどうするかも分からないまま、ただ毎日をやり過ごしているだけだった。
(マルクス様はお元気かしら?近くにいるのに会えないなんて…。ほんの少しだけでも、離れの様子を見に行けたらいいのに)
だが部屋から出ると侍女に、エントランスから出ると近衛隊に取り囲まれる為、とてもじゃないが一人で抜け出したりはできない。
どうにかして国王に会えたら、その時は、一度だけでも離れに行きたいとお願いしてみよう、とプリムローズは考えていた。
そんなある日。
「え?クリスマスパーティー、ですか?」
侍女から、週末に宮殿の大広間で開かれるクリスマスパーティーに出席するように言われて、プリムローズは戸惑う。
「どうしてわたくしが?国王陛下主催のパーティーなのですよね?ゲストの皆様も、そうそうたるお方ばかりでしょうし」
「今回のパーティーは、若い方々も多くお招きしています。プリムローズ様とお話も合うだろうということで、国王陛下は是非ともプリムローズ様にも出席して欲しいと仰せです」
「そうなのですね、分かりました。身に余るお話ですが、謹んで出席させていただきたく」
「承知いたしました。そのように国王陛下に申し上げます」
そして心の準備もできないうちに、週末がやってきた。