野獣と噂の王太子と偽りの妃
「プリムローズ様、お食事をどうぞ。マルクス様も」
「ありがとう!何も食べてなくて、お腹ぺこぺこだったの」

プリムローズは、屋敷に帰って来た懐かしさと安心感に、嬉しそうにパクパクと料理を食べる。

マルクスもそんなプリムローズに目を細め、一緒に食事をした。

「プリムローズ様のお部屋もドレスも、全てそのままにしてありますわ」

そう言ってレイチェルは、食事を済ませたプリムローズを部屋に促した。

「わあ、懐かしい!ありがとう、レイチェル」

プリムローズは湯に浸かって身体を温め、寝衣に着替えてからナイトガウンを羽織る。

もう一度マルクスの部屋に戻り、おやすみなさいと挨拶すると、マルクスはプリムローズを呼び寄せた。
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