野獣と噂の王太子と偽りの妃
「レイチェルー、今夜のデザートの味見をしてくれない?」
ダイニングテーブルに夕食の食器を並べているレイチェルのところへ、プリムローズがオレンジの新作のお菓子を持って行く。
カチャッとドアを開けた途端、抱きしめ合うレイチェルとサミュエルの姿が目に飛び込んできて、プリムローズは、ひゃあ?!と息を呑んだ。
慌ててドアを閉めて気持ちを落ち着かせていると、廊下の角を曲がってマルクスが姿を現した。
ドアの前にたたずむプリムローズを見て、ん?と首をひねる。
「どうかしたか?プリムローズ。中に入らないのか?」
「あああ、あの、いいい今は、その」
「ん?どうしたんだ?」
そう言ってマルクスは、ドアノブに手をかける。
「マママルクス様!いけません、今は…」
なんだ?とばかりに、マルクスは大きくドアを開けた。
「うわっ!」
サミュエルの声が響き、四人は一斉に固まる。
だがすぐにマルクスはニヤリと笑い、ドアを閉めた。
「プリムローズ、俺達も負けていられないな」
そう言いながらプリムローズの肩を抱き、頬にキスをする。
「マ、マルクス様!こんなところで…」
「じゃあ部屋の中に入るか?」
「いえ、結構です!」
すると中からカチャッとドアが開き、気まずそうなレイチェルとサミュエルが深々と頭を下げた。
「殿下。お見苦しいものをお見せしてしまい、申し訳ありません」
サミュエルの固い口調に、マルクスは軽く答える。
「いや?なかなかに熱い抱擁だったぞ」
レイチェルも顔を赤らめて謝罪する。
「申し訳ありません、殿下。どうぞお忘れくださいませ。執務中に失礼いたしました」
「いいじゃないか。仲が良くて何よりだ。どうだ?お前達も俺達と一緒に、合同結婚式を挙げるか?」
すると二人は絶句する。
「めっっっっそうもございません!」
マルクスは、あはは!と軽く笑って、プリムローズの肩を抱いたまま部屋に入った。
ダイニングテーブルに夕食の食器を並べているレイチェルのところへ、プリムローズがオレンジの新作のお菓子を持って行く。
カチャッとドアを開けた途端、抱きしめ合うレイチェルとサミュエルの姿が目に飛び込んできて、プリムローズは、ひゃあ?!と息を呑んだ。
慌ててドアを閉めて気持ちを落ち着かせていると、廊下の角を曲がってマルクスが姿を現した。
ドアの前にたたずむプリムローズを見て、ん?と首をひねる。
「どうかしたか?プリムローズ。中に入らないのか?」
「あああ、あの、いいい今は、その」
「ん?どうしたんだ?」
そう言ってマルクスは、ドアノブに手をかける。
「マママルクス様!いけません、今は…」
なんだ?とばかりに、マルクスは大きくドアを開けた。
「うわっ!」
サミュエルの声が響き、四人は一斉に固まる。
だがすぐにマルクスはニヤリと笑い、ドアを閉めた。
「プリムローズ、俺達も負けていられないな」
そう言いながらプリムローズの肩を抱き、頬にキスをする。
「マ、マルクス様!こんなところで…」
「じゃあ部屋の中に入るか?」
「いえ、結構です!」
すると中からカチャッとドアが開き、気まずそうなレイチェルとサミュエルが深々と頭を下げた。
「殿下。お見苦しいものをお見せしてしまい、申し訳ありません」
サミュエルの固い口調に、マルクスは軽く答える。
「いや?なかなかに熱い抱擁だったぞ」
レイチェルも顔を赤らめて謝罪する。
「申し訳ありません、殿下。どうぞお忘れくださいませ。執務中に失礼いたしました」
「いいじゃないか。仲が良くて何よりだ。どうだ?お前達も俺達と一緒に、合同結婚式を挙げるか?」
すると二人は絶句する。
「めっっっっそうもございません!」
マルクスは、あはは!と軽く笑って、プリムローズの肩を抱いたまま部屋に入った。