桐生さんのお世話係?
「ハァ!?」


「こここ声が大きいです」



珊瑚が起きちゃう!!



「私“達”?」



キャップの人がポツリと言う。



「生後5ヶ月の妹が居ます」


「ハァア!?」


「あの、だから」


「うるせぇよ、丹波。黙れ」


「……すんません」



あ、やっぱりキャップの人の方が“上”なんだ。


キャップの人の一言でピタリとスーツの男の人、丹波さん?が黙る。



「小芝真珠が出て行ったってのは本当か?」


「はい。彼氏が結婚してくれるから、と」


「娘達を置いて?」


「彼氏には私達のことは話してないそうです」


「チッ」



あのアバズレが。


なんて言葉が舌打ちとともに聞こえてくる。



「あのっ」


「「??」」



私は二人の前で正座をし……



ゴンッ!!




「っっ」


「うぉい!?」


「……」



頭を畳に打ちつけ(勢いをつけすぎた)両手も拳を握り畳につけ……



深々と土下座をする。



「うぉ願いします!!」


「そんなことをしても」


「わかってます。借金がなくならないことなんて。違います。お金は私が絶対に返します」


「お前が?」


「はい。何をしても返します」


「……」



私は少しだけ頭を上げ、キャップの人を見る。



「お願いしたいのは妹のことです」



珊瑚ー。



「あの子は生まれたばかりで、なんの罪もありません。ましてやこの借金には全く関係ありません」


「それは」


「借金は私を育てるためのものだとババ……母は言いました」



危ない、憎しみ込めまくりでババァって言うところだった。



「だから必ず私が返します。なので、妹は……珊瑚は養子に出してもらえませんか」
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