桐生さんのお世話係?
「養子!?」



「「……」」




丹波さんが叫んでいるけど、私は黙ったままキャップさんを見る。



考えて考えて、出した答えが“コレ”だ。




珊瑚はまだ5ヶ月で、すぐ新しい環境にも慣れる。



新しい両親の元で幸せにスクスクと育つことが出来る。




「お願いします」



「そんなお前簡単にっ。たった一人の妹だ」




っっ。




「簡単なわけないでしょ!!」




丹波さんを睨む。




「頭かち割って金◯潰してやろうか、この野郎」



「怖っ、コイツ怖っ」



「オイ、心の声かもしれないがダダ漏れだぞ」



「ああ。すみません、イラっとして」



「桐生さん、アイツヤバい」




丹波さんがキャップの人、桐生さん?の元へ。




「血反吐を吐いて出した答えを簡単って」



「血反吐を……」



「……」




二人から視線を逸らして自分の握り拳を見る。




「ずっと一人だった私の元にやっと来てくれた妹なんですよ」




産まれたあの子を見たとき、どれだけ嬉しかったか。



私を孤独から救ってくれた大事な妹。



だからこそ。



だからこそ、珊瑚には幸せになってもらいたい。




「一緒に居たい。あの子の成長を側で見守りたい。でも私は……これから借金を返していく私には絶対に育てられない。そんなお金もない」




このままだと二人とも不幸になる。

ならば取るべき道はただ一つ。



「どうか……どうかお願いします」




珊瑚を。



子供を大事にしてくれる人たちの元へーー。
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