純愛ストーカー~溺愛彼氏が浮気疑惑をはらすために追いかけてきた
急に香水をつけてくるなんておかしい。疑い出したらきりがないけど……。


浮気をされたわけじゃない。斗真が真柴さんをかわいいと思っても、思うだけなら自由だ。だから怒るわけにはいかないけど、いい気分はしない。

大きくため息をついて、仕事に手をつけた。





昼休みになって、両腕を上に伸ばしてストレッチ。今日のランチは何にしようか考えていると、同期の直見が慌てて私に近寄ってきて耳打ちしてくる。


「ねえ、メイコ。先週の金曜日、斗真さんと真柴さんが二人きりで食事をしているのを見たって隣の課の女の子が言ってるけど何か聞いてる?」

「え? その日は接待だって……」


少しの疑惑から確信に変わる。明らかな嘘が発覚。


あの日、ケーキを買ってわざわざ私のアパートに訪ねてきたのは、浮気をした罪悪感から彼女にいつもより優しくなるっていうやつ?

< 10 / 32 >

この作品をシェア

pagetop