純愛ストーカー~溺愛彼氏が浮気疑惑をはらすために追いかけてきた
私があの日、寝ちゃったから?


コンビニで買ったご飯を食べ散らかしたままの姿を見て冷めちゃった?


「一人ではめを外しすぎたかな……」


最初は腹を立てていたけど、時間がたつと不安と悲しみでいっぱいになる。斗真が私より真柴さんのことを好きになったらどうしよう。


斗真の言葉を信じたいけど、胸騒ぎがする。ネガティブになると、何もできなくなる。食欲もなくて、夕飯は食べれずにその日はベッドに入る。2時間おきに目が覚めて朝になった。


「頭がボーっとする」


睡眠不足だ。仕事に支障が出ちゃいけない。食欲はないけど作り置きをしていたミネストローネスープを解凍して、胃に流し込んだ。


今日もう一度、斗真と話をしよう。そう決めていつもより早めに家を出た。


会社に着くと、いつも混雑しているエレベーターも一人。……と思ったら、前から悩みの種の真柴さんがすみませんと言いながら乗り込んできた。


「おはようございます」


にこやかに挨拶する彼女に私は会釈をする。化粧のりがいい白い肌。キレイにカールされたまつげにコーラルピンクの艶やかな唇。


メイクだけでも24歳の私とは美しさが違う。胸がズキズキして痛い。


目を別の場所にうつそうとした時。


「え?」


真柴さんの左腕につけられた腕時計を見て思わず声が出た。


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