純愛ストーカー~溺愛彼氏が浮気疑惑をはらすために追いかけてきた
私がプレゼントした時計を他人に、しかも女の子にあげるなんて非常識すぎる。真柴さんは、私からのプレゼントだと気付いてないから、堂々と身につけている。

あんなに浮気はしていないと言っていたのに。私にバレてもいいと思って浮気をしているんだ。


ううん。浮気じゃなくて本気なのかもしれない。


「メイコ、おはよう」

「おはようございます」

「え、メイコ?」


斗真から声をかけられて、他人行儀な敬語で返す。とにかく避けた。目が合っても分かりやすいようにそらす。そんな態度をとる私に斗真は……。


「真柴さん、これ経理課までお願いできる?」

「はい。ついでに飲み物買ってきますけど、コーヒーでよかったですか?」

「ありがとう。助かるよ」

「ブラック熱々ですよね」

「もうみんなの好み、覚えたの? すごいね」


あてつけのように真柴さんと笑顔で会話をしている。元々誰にでも優しい人だけど。

私が昨日、真柴さんの名前を出したんだから彼氏だったら、もう少し配慮しない?

誰がどう見てもお似合いの美男美女。もう話し合いをする気にもなれなかった。


< 15 / 32 >

この作品をシェア

pagetop