純愛ストーカー~溺愛彼氏が浮気疑惑をはらすために追いかけてきた
斗真は私が泣き止むまでずっと抱き締めてくれていた。


「もう大丈夫……」


少し落ち着いた私は瞼をこすって、斗真から離れると、唇にキスをされる。その時の斗真の表情は今まで見たことがないくらい悲しそうで。

どうして? どうしてそんな切ない表情をするの?


「メイコ以外の人なんて考えれない。本当に好きだよ」


唇を重ねながら、一緒に紡がれる言葉。


抵抗はしなかった。きっと、これが最後になると思ったから。


指を絡められても、握り返さない。舌を絡められても、私からは求めない。それに気付いている斗真は、力強く指を絡め、いつもより激しいキスを長く繰り返す。


この行為に、まだ私を愛してくれていると信じたくなる。


胸が苦しい……。私だってまだ斗真のことが好き。大好きなのに。別れる選択肢しかできないのは私の心が狭いから?

悲しくなって、また涙が出てくる。

斗真は私の涙を親指で拭うと、体を抱きかかえる。そして、寝室のベッドに座らされると、斗真の家に置いてある私のルームウェアに着替えさせてくれた。


「顔色が悪いよ。今日は泊まってゆっくり寝て」


気付いてくれてたんだ。昨日はあまり寝ていなくて寝不足だったから。メイク落としシートで優しく化粧を落として、スキンケアまでしてくれた。


「ライト消すよ。メイコが寝付くまで一緒にいるから」

「……斗真も来週から出張で、その準備で寝てないんじゃないの?」

「俺は大丈夫だから。今は何も考えないで目を閉じて」


言われた通りに、目を閉じる。斗真が優しく私の頭を撫でてくれて心地がいい。


私は斗真の掌の温度を感じながら深い眠りについた。
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