純愛ストーカー~溺愛彼氏が浮気疑惑をはらすために追いかけてきた
夢をみた。
斗真が私と真柴さんに対して二股をして、結局真柴さんを選ぶ。そしてすぐに婚約発表をするという夢。
夢だと分かったのは、斗真がうなされている私を起こしてくれたから。
「メイコ、大丈夫?」
「あ、……うん。今、何時?」
「2時だよ。6時間は寝てたかな。うなされてて起こした。ごめん」
「いいの。ありがとう」
まとまった睡眠をとれたのは斗真のおかげだ。でも夢でうなされたのも斗真が原因で。悪夢の余韻を引きずって、暗い気持ちになる。
「ねえ、メイコ。時計の件は出張から帰ってきたらはっきりさせる。それまでは別れ話は保留にしてほしいんだ」
保留……。きっと、私が寝ている間に色々と考えてくれていたんだろう。
本気で別れる決意が伝わったからだと思う。
保留にされたまま、ズルズルとこの関係を続けるのはキツイ。しかも斗真とは出張で1ヶ月も会えない。
本当は今、きっぱりと別れたほうがいいと思ったけど、斗真も簡単には頷いてくれないのも伝わった。だから。
「分かった」
納得したふりをしてイエスと答えた。