純愛ストーカー~溺愛彼氏が浮気疑惑をはらすために追いかけてきた
「浮気が原因で別れを決意したなら、疑惑がはれた今、どうしたいの?」

「どうって……」


さんざん斗真を非難して、傷つけて、信じようともしなかった。ここで、あっさりよりを戻したいなんて言えない。俯いたまま黙っている私を見て、斗真はため息をついてその場に座り込んだ。


「ストーカーなんて気味悪いし、相手の気持ちを考えない最低な行為だって思っていたけど。

俺も似たようなもんかな。メイコがいなくなって、最初はなんで信じてくれないんだって怒りも正直あった。でも、逆にホッとした。俺が出張中でいない時にメイコに危害を加えられた可能性もあったから。

惚れた弱みかな。メイコが俺のことを嫌いになって、どんなに遠くに逃げても追いかけるよ。好きだから」


斗真の正直な言葉に涙が溢れる。胸が痛い。逆の立場だったら? 黙って消えられたら絶望したと思う。私は斗真のように許せただろうか。


「ごめん。信じてあげられなくて。辛い時に一緒にいてあげられなくて……ごめんなさい」


私は斗真が今でも好きだ。好きだからこそ、ここまでしないと別れられないと思ったから……。
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