『ブレッド』  ~ニューヨークとフィレンツェを舞台にした語学留学生と女性薬剤師の物語~【新編集版】
 ウェスタの店を出てからベーカリーを5軒ほど覗いたあと遅い昼食を済ませた弦は、夜までホテルで横になった。
 結構な時間眠ったが、それでもまだ眠かった。
 しかし時間が迫っていたので、大あくびをしながらシャワーを浴びて、念入りに髪を整えた。
 それからキャリーバッグからジャケットを取り出して羽織り、その姿を鏡に映した。
 中々サマになっていたので自画自賛したが、ルチオへの感謝は忘れなかった。
 彼のアドバイスがなければジャケットを持ってくることはなかったからだ。

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