『ブレッド』 ~ニューヨークとフィレンツェを舞台にした語学留学生と女性薬剤師の物語~【新編集版】
初夏になった。
その日も男は狩りに出かけていた。
赤子を抱いた女が食べ物を探しに草原に向かうと、道すがら草が伸びて、その先に穂が付いていることに気がついた。
それは前の年に見た穂と同じで、それが点々と続いていた。
住まいと草原を結ぶように草が生えて穂を付けていた。
それを見ているうちに気がついた。
これは自分たちが住まいに持ち帰る時にこぼした実が芽を吹いて、大きくなり、穂を付けたのだと。
そして、あの実は食べられるものであると同時に育てることができるものだと。
その日も男は狩りに出かけていた。
赤子を抱いた女が食べ物を探しに草原に向かうと、道すがら草が伸びて、その先に穂が付いていることに気がついた。
それは前の年に見た穂と同じで、それが点々と続いていた。
住まいと草原を結ぶように草が生えて穂を付けていた。
それを見ているうちに気がついた。
これは自分たちが住まいに持ち帰る時にこぼした実が芽を吹いて、大きくなり、穂を付けたのだと。
そして、あの実は食べられるものであると同時に育てることができるものだと。