『ヨーロッパに恋して』  🌺リスボン(ポルトガル)ご紹介しています🌺
話をリクヴィールに戻します。
ブドウ畑をぐるっと回って村の正面に帰ってくると、豪華な花が出迎えてくれました。



そこでお腹が鳴りました。
もう待ちきれないと催促されたので、安くておいしいWinstub(郷土料理を出すリーズナブルなワインバー)を探してもう一度通りを歩きました。

見つけました。
青い壁の横にアーチがあり、その中のオープンスペースにテーブルが並べられ、パラソルの花が咲いていました。
一目見て気に入ったので、地元のスパークリングワイン「クレマン・ダルザス」と共においしい郷土料理をいただきました。



その後、またぶらぶらと通りを歩いていたのですが、空が暗くなってきたと思ったら突然雨が降ってきて、逃げ込むようにカフェに入って雨宿りをしました。同じようなお客さんが多くて店の人はてんてこ舞いのようでしたが、それでも笑顔を絶やさず、ビールを注文した時にも丁寧に対応してくれました。ですので、運ばれてきた時に「ありがとう」と日本語で言ったところ、「どういたしまして」と日本語で返してくれました。その発音がとてもきれいだったので「素晴らしい」と日本語で言うと、彼女は満面の笑みを浮かべてくれました。

話はそれますが、コルマールでも同じ経験をしました。朝早く旧市街で写真を撮っていたところ、撮り終えるまで立ち止まって待っていてくれた女性がいたので「ありがとう」と日本語で言うと、同じように「どういたしまして」と日本語で返してくれたのです。その時も「素晴らしい!」と言ったのですが、すると、「少しだけ」と、とてもチャーミングな笑みと共にきれいな日本語を返してくれたのです。

「ありがとう」「こんにちは」「さようなら」という日本語はヨーロッパでも定着していますが、今回は「どういたしまして」もよく聞きました。日本へ行ったことがあったり、日本の文化に関心を持つ人が増えているせいか、片言の日本語を話す人が増えているのかもしれません。そのことに気づいたので、私も積極的に日本語で話すようにしました。これからもヨーロッパの人たちと日本語の会話を楽しみたいと思っています。

話を戻します。
帰る時間になったのでバス停で待っていると、バスの運転手さんが笑顔で手を振ってくれました。なんと、昨日リボーヴィレに行った時の運転手さんでした。私たちのことを覚えていてくれたのです。

乗り込む時に「こんにちは」と日本語で言うと、「良い一日を!」と日本語で返されたのでびっくりしました。思わず手を差し出すと、優しく握ってくれました。
それだけでなく、降りる時には「さよなら」と日本語で言いながら手を振ってくれました。
とても感激したので、バスが見えなくなるまで手を振り続けました。

花咲く美しい村と笑顔が素敵な優しい人たち。
安くておいしいワインと美味しい郷土料理。
今日も本当に幸せな時間を過ごすことができました。

リクヴィール、ありがとう。

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