『音楽に恋して』 第6回:映画音楽の名曲を感動と哀愁のサックスで
🎹 🎹 🎹 🎹 🎹 🎹 🎹 🎹 🎹 🎹
アルバムに話を戻して、曲順をご紹介します。
1:SITTING BY THE FIRE
2:MONTANA SKIES
3:MORNING WALK
4:FLURRIES
5:CITY SLEIGH RIDE
6:WALTZ FOR M
7:ISLAND DREAM
8:NOTHERN LIGHTS
9:FROSTED WINDOW
10:STARRY NIGHT
厳かなピアノの音色でアルバムの幕が開きます。
椅子に座って焚火を見つめながら何かを考えているような静かなムードが漂い始めました。
しかし途中から徐々に力強い演奏になっていきます。
焚火が燃え盛ってきたのでしょうか。
それでもそれは長くは続かず、またフッと静かになって、次の曲へ続いていきます。
ピアノの音はモンタナへと飛び立ちます。
カナダとの国境に接しているモンタナ州は日本とほぼ同じ面積でありながら112万人しか住んでいない自然豊かな州ですが、そこには野生の動物たちがストレスなく暮らしているはずです。
聴いていると、頭の中に大きな角を持ったヘラジカが現れました。
「どこへ行くんだい?」と訊くと、「風に訊いてくれ」とでもいうように悠然と去っていきました。
雪の精に呼ばれたかのように静かに姿を消したのです。
クリスタルなピアノの音が冬の朝を告げます。
「さあ散歩に出かけよう」
コートを着て、ブーツを履いて、雪の道を踏みしめます。
朝日を浴びた街並みは、澄んだ空気の中、キラキラと輝いています。
体の中にエネルギーが満ちてくるのがわかります。
「今日も一日素敵なことがありますように」
誰かが作った雪だるまが微笑んでくれました。
雪が降ってきました。
風に吹かれて踊るように落ちてきます。
それを見ていると自然に足が動きました。
雪と戯れるように。
そして、ダンスを踊るように。
誰かが置いていった子供用の橇を見つけました。
滑ってみようかな?
お尻を入れるとなんとか入りました。
滑り出すと夢中になりました。
幼いあの頃に戻ったように。
家に帰ると、微笑みを浮かべた妻が迎えてくれました。
「楽しかった?」
「うん。最高」
部屋にはワルツが流れていました。
「踊る?」
「そうね」
首に手を回してきた妻を抱き寄せると、愛しい香りが鼻をくすぐりました。
陽気な曲に変わりました。
ドラムとベースがスウィングしています。
軽やかなステップを踏みながら妻と踊り続けます。
夢の中の王女様と踊る王子のように。
踊り終わってソファに座ってテレビをつけると、
一面にオーロラが映し出されました。
その瞬間、心は北極圏に飛びました。
凍ったような教会の鐘がオーロラに神秘な色を与えています。
赤と緑、紫とピンク。
まるで魔法にかかったようにゆらゆらと揺れています。
見惚れていると、透き通るようなピアノの音が霜で覆われた窓を連れてきました。
何も見えない窓。
でも、ぼんやりと何かを感じさせる窓。
見えない何かを見るようにと言われているのでしょうか。
見つめていると、心の目の中で星が瞬きました。
そして、降るように落ちてきました。
スターリー・ナイト。
この世のものとは思えないほどの美しさに息を呑みました。
優しいピアノの音に誘われて夢の中に入るのに時間はかかりませんでした。
❅ ☃ ❅ ⛄ ❅ ☃ ❅ ⛄ ❅ ☃ ❅ ⛄ ❅ ☃ ❅ ⛄ ❅ ☃ ❅
真夏に聴く真冬のピアノの調べ。
いかがでしたでしょうか。
ほんの少しでも涼やかになっていただけたら幸いです。
では、また次回お目にかかります。
アルバムに話を戻して、曲順をご紹介します。
1:SITTING BY THE FIRE
2:MONTANA SKIES
3:MORNING WALK
4:FLURRIES
5:CITY SLEIGH RIDE
6:WALTZ FOR M
7:ISLAND DREAM
8:NOTHERN LIGHTS
9:FROSTED WINDOW
10:STARRY NIGHT
厳かなピアノの音色でアルバムの幕が開きます。
椅子に座って焚火を見つめながら何かを考えているような静かなムードが漂い始めました。
しかし途中から徐々に力強い演奏になっていきます。
焚火が燃え盛ってきたのでしょうか。
それでもそれは長くは続かず、またフッと静かになって、次の曲へ続いていきます。
ピアノの音はモンタナへと飛び立ちます。
カナダとの国境に接しているモンタナ州は日本とほぼ同じ面積でありながら112万人しか住んでいない自然豊かな州ですが、そこには野生の動物たちがストレスなく暮らしているはずです。
聴いていると、頭の中に大きな角を持ったヘラジカが現れました。
「どこへ行くんだい?」と訊くと、「風に訊いてくれ」とでもいうように悠然と去っていきました。
雪の精に呼ばれたかのように静かに姿を消したのです。
クリスタルなピアノの音が冬の朝を告げます。
「さあ散歩に出かけよう」
コートを着て、ブーツを履いて、雪の道を踏みしめます。
朝日を浴びた街並みは、澄んだ空気の中、キラキラと輝いています。
体の中にエネルギーが満ちてくるのがわかります。
「今日も一日素敵なことがありますように」
誰かが作った雪だるまが微笑んでくれました。
雪が降ってきました。
風に吹かれて踊るように落ちてきます。
それを見ていると自然に足が動きました。
雪と戯れるように。
そして、ダンスを踊るように。
誰かが置いていった子供用の橇を見つけました。
滑ってみようかな?
お尻を入れるとなんとか入りました。
滑り出すと夢中になりました。
幼いあの頃に戻ったように。
家に帰ると、微笑みを浮かべた妻が迎えてくれました。
「楽しかった?」
「うん。最高」
部屋にはワルツが流れていました。
「踊る?」
「そうね」
首に手を回してきた妻を抱き寄せると、愛しい香りが鼻をくすぐりました。
陽気な曲に変わりました。
ドラムとベースがスウィングしています。
軽やかなステップを踏みながら妻と踊り続けます。
夢の中の王女様と踊る王子のように。
踊り終わってソファに座ってテレビをつけると、
一面にオーロラが映し出されました。
その瞬間、心は北極圏に飛びました。
凍ったような教会の鐘がオーロラに神秘な色を与えています。
赤と緑、紫とピンク。
まるで魔法にかかったようにゆらゆらと揺れています。
見惚れていると、透き通るようなピアノの音が霜で覆われた窓を連れてきました。
何も見えない窓。
でも、ぼんやりと何かを感じさせる窓。
見えない何かを見るようにと言われているのでしょうか。
見つめていると、心の目の中で星が瞬きました。
そして、降るように落ちてきました。
スターリー・ナイト。
この世のものとは思えないほどの美しさに息を呑みました。
優しいピアノの音に誘われて夢の中に入るのに時間はかかりませんでした。
❅ ☃ ❅ ⛄ ❅ ☃ ❅ ⛄ ❅ ☃ ❅ ⛄ ❅ ☃ ❅ ⛄ ❅ ☃ ❅
真夏に聴く真冬のピアノの調べ。
いかがでしたでしょうか。
ほんの少しでも涼やかになっていただけたら幸いです。
では、また次回お目にかかります。