『音楽に恋して』~第5回:真夏に聴く涼やかなピアノの音色~
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第1回:『JOHN COLTRANE AND JOHNNY HARTMAN』(ユニバーサルミュージック:UCCU-9413)

今回ご紹介するのは、囁くようなサックスと甘い歌声のコラボレーション・アルバムです。

サックス奏者はジョン・コルトレーンで、1926年生まれ。
ジャズシンガーはジョニー・ハートマンで、1923年生まれです。
二人は既に亡くなっていますが、1963年に発売されたこのアルバムは今も輝き続け、色褪せることはありません。

ジョニー・ハートマンの歌声が最高です。
甘い低音が魅力で、『男性ジャズシンガーの中で最もセクシーな低音の持ち主』と言われている通り、その声の魅力は何物にも代えがたい素晴らしいものと言っても過言ではありません。

ジョン・コルトレーンのサックスも最高です。
『ジャズ界最大のカリスマ』と言われている彼ですが、このアルバムではしっとりと歌い上げる奏法に徹しています。
ジョニー・ハートマンに負けないほどの甘く囁くような音色に包み込まれると、もう抜け出せなくなってしまいます。

全編バラードです。
01:『THEY SAY IT’S WONDERFUL』
02:『DEDICATED TO YOU』
03:『MY ONE AND ONLY LOVE』
04:『LUSH LIFE』
05:『YOU ARE TOO BEAUTIFUL』
06:『AUTUMN SERENADE』
どれをとっても素晴らしい曲ばかりです。

特に、軽やかなピアノに導かれて「恋に落ちるってなんて素敵なんだろう……」と甘く響く低音で歌い始める1曲目、
「あなたに捧げる……」と囁きかける2曲目、
甘い音色のサックスに導かれて「かけがえのない愛……」と見つめるように歌う3曲目、
そして、呟くようなサックスの後に「あなたは美しすぎる……」と歌い始める5曲目は最高です。
いえ、それ以上です。

耳元で囁かれたら、どうにかなってしまいそうです。
「どうにでもして」って言ってしまうかもしれません。
甘くメロウな歌声に心を掴まれて、逃げることはできなくなるでしょう。

今宵、一人で、もしくは二人で、甘い世界の中に漂ってください。
プロポーズされるような魅惑のメロディに抱かれてください。


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