私だけが知っている桜くん
そして、間宮くんに、連れてこられたのは普段使わない空き教室。

間宮くんは私に向かって、


「昨日のことはみんなに秘密にしてください!!」

と、90度のお辞儀をした間宮くん。

いつもの穏やかな声と違って、少しだけ明るい声だった。


「あ、あの、顔あげてください!!別に言ったりしませんよ!」


みんなだったらもしかしたら言うのかもしれない。

だってあんな人気者の間宮くんがオタクなんだもん。

だけど、そもそも、私がその話を流したところで誰として信じる人はいないだろ。


「ほ、ほんとですか?!」

「本当です!」

私は真剣な顔をして間宮くんを見た。


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