私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「ええっ⁉」

大学生が、高校生にプロポーズ⁉

「まあ、結婚したのも俺が生まれたのも、だいぶ後になってからだけど。両親はずっと一緒にいてさ。だからかな。やっぱり恋愛結婚がしたくて。」

「そうだよね。そうなるよね。」

柊真は微笑むと、私を抱きしめてくれた。

「頼むよ、奥さん。」

「ふふふ。まだ奥さんじゃないよ。」

二人で抱きしめあって、私達はいい一日のスタートを切った。

の、はずだった。


― その3時間後。 -

会社に一人の女性が現れた。

「藤高利夏と申します。御曹司はいらっしゃいますか?」

「はい。お待ちください。」

お昼に行こうとしていた私が、受付を通った時だ。

御曹司の名前を耳にした私は、放っておけなくて受付に顔を出した。
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