私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「あの……御曹司というのは、企画部の結城柊真の事でしょうか。」

「ええ。確か、そんな名前だったわ。」

もしかして、クレーマー?

「申し訳ございません。結城は今、会議中でして。本人ではないとお話しできない内容でしょうか。」

「ええ。そうです。結婚の話なので。」

私は目をぱちくりさせた。

「もしかして……結城の婚約者の方?」

「そうよ。藤田の娘だと言えば、分かるわ。」

藤高?どこかで聞いたような……あっ!

「思い出した!藤高コーポレーションの!」

「そうよ。この会社の大事な取引先の一つでしょ。私に失礼な事したら、取引は抹消するわよ。」

まさか、あの大きな取引先の藤高コーポレーションの娘と婚約なんて。

なんでもっと、早くに言わないのよ!
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