私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
藤高コーポレーションと言えば、業界トップクラスでこの取引を失ったら、うちの会社の損失は計り知れない。

「早急に結城へ伝えて来ます。」

私は足早にオフィスに戻って来た。

柊真はまだ、会議中だ。

「すみません、失礼します。」

見ると部長どころか、社長もいる。

「どうした?今、会議中だぞ。」

「申し訳ございません。それが只今、藤高コーポレーションのご令嬢が、結城課長に会いたいと来ておりまして。」

「へ?藤高コーポレーションのご令嬢?何で俺に?」

私は目を疑った。

「何でって、婚約者の方ですよ。」

「嘘っ!藤高コーポレーションのご令嬢だったの⁉」

私と柊真は、社長を見た。

「言ってなかったか。」

「聞いてねえよ。何でそんな大きな取引先のご令嬢と、結婚させようとしてたんだよ。」
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