私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「失礼しましたっ!」

やばい!初っ端から名前を間違えるという失態。

「……利夏さん。結婚の件、利夏さんはどのようにお考えですか?」

柊真が切り出す。

「どのようにって、私は結婚すると決めてましたけど?」

えっ⁉名前もうろ覚えの人と?

びっくりだわ。このお嬢様。

「利夏さんには、交際相手はいらっしゃらないのですか?」

「はい。現在お付き合いしている方は、いません。」

「……失礼ですが、年齢はいくつでしょうか。」

「28です。何ですか?歳は関係ありますか?私達の結婚は、両家が望んでいたはず。」

柊真は社長を見た。

「ええ。ですが、柊真には真剣に結婚を考えている相手がいましてね。」

社長、はっきり言ってくれた。

「それがそこにいる浅見課長だと言うのですか?」

「その通りです。」
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