私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「……それは、ご両親がそうだからですか?」

柊真は私の肩を抱き寄せた。

「僕は、両親が若い頃から愛を育んできた事を知っています。父だって、若い頃はお金がなかった。それでも母は父を信じて付いてきてくれた。もし僕が今無職になったとしても、恭香は変わらず僕の傍にいてくれると信じています。」

「それはただの妄想ですよね。」

「えっ……」

柊真は私を見た。私に答えさせるの?

「彼女が柊真さんに付いていくのは、未来に社長の椅子が用意されてるから。お母様も、きっと同じです。」

「ちょっと!」

私はたまらず前に出てしまった。

「さっきから聞いてれば、いい加減にして!」

「恭香……」

「どういう教育を受けたのか分かりませんが、あなたは本当の恋を知らないんですか!」
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