私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「ごめん。あれは、その……」

「ほんと、全く分かってないよ。俺がどんなに恭香を好きなのか。」

「ごめなさいっ!」

謝った瞬間、柊真は私の顔を掴んで、キスをした。

「んんっ……」

息ができない、激しいキス。

「柊真……」

たまりかねて、柊真の名前を呼ぶと、思いっきりソファーに押し倒された。


「やだ、ここでするの?」

「誰も来ないよ。俺たちだけの部屋だって。」

「社長が来るわよ!」

「親父だって気を利かせて、戻って来ないよ。」

柊真の吐息が、私の首にかかる。

「思い出したよ。おまえに恋した瞬間。」

「えっ……」

「あの時も、俺を庇ってくれた。」


― 結城君は、そんな人じゃありません!きっと取引先を思ってしたことです! -


「俺の初めての失敗、皆は御曹司なのに派手な失敗したって、嘲笑ってた。でも恭香だけは、俺を信じてくれていた。」
< 120 / 160 >

この作品をシェア

pagetop