私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「一課は企画部の要って言ったら、語弊があるかもしれないけれど、御曹司が企画部の部長になるなら、要の課長は気心知れた人の方がいいでしょ。」

体が武者振るいする。私も遂に、1000万単位の予算を扱う事になるのか。

「それで、二課の課長なんだけど、二課の係長達にはまだ早いかな。」

「そう、ですよね。」

寺谷君はこの前係長になったばかりだし。

もう一人の係長の湯沢君は、明るくて頼もしいけれど、課長にはどうかな。

「それで思い切って、青川君を二課の課長にしようと思うんだ。」

「青川君……ですか?」

私はキョトンとした。

「ああ、浅見は青川の事、知らないのか。」

「ちょっと……前からいた子?」

「いや、一年前に営業部から来た奴なんだけど、とにかく物静かで淡々と仕事をこなす奴だよ。」
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