私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
淡々と。物静か。あのアットホームな二課に入って大丈夫かな。

「係長にはいつなったんですか?」

「異動してきて直ぐにだよ。仕事を覚えるのは早い。」

「そうなんだ。」

確かに、部長がいなくなったら、柊真は企画部を一人で支えなければならない。

私もきっと、一課の仕事で新しい事を覚えなければならないし。

そんな時の新しい課長は、仕事ができる人の方がいいのかな。

「大丈夫だよ、浅見ちゃん。青川係長、物静かなだけで悪い子じゃないから。」

「ですね。さすが部長、よく人を見てますね。」

「いやあ、御曹司に言われるとはな。」

すっかり二人は、昇進の話で盛り上がっている。


そんな時、休憩室で青川係長を見つけた。

眼鏡を掛けいて、前髪で半分隠れている。

大勢の中にいるよりは、一人で隅っこにいる方が好きって感じかな。
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