私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「青川!」

そんな青川係長に、営業部の人が数名声を掛けた。

「今度、こいつが主任に上がるから、昇進祝いしようってなったんだけど、青川も来ない?」

「いいね。いつ?」

「明後日。」

「分かった。了解。」

手を挙げて応えてるのを見ると、そんな暗い子でもない。

「おっ、青川。」

「やあ。元気?」

同僚とも声掛け合ってるし。

私も青川係長に、声掛けてみようかな。

体を動かした私は、青川係長の肩を叩いた。

「お疲れ様。」

「浅見課長。珍しいですね。僕に話しかけてくるなんて。」

「そうね。座ってる島が違うから、なかなか声掛けられなくて、ごめんね。」

青川係長は、私をじーっと見ている。

「何?」

「いや、お噂はかねがね。」

「噂?」

「未来の社長を射止めた、バリキャリアのシンデレラってね。」
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