私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
皆、知らない振りをして、仕事をしている。

私も知らなかった振りをしよう。

席に戻ると、ニヤニヤしている結城が、足を組んでこっちを向いた。

「相手、いくつ?」

「……30だけど?」

小声で言うと、結城はクスクス笑っている。

「若いな。」

「若いわね。」

そう言って、結城と目を合わせながら笑った。

「キスマークか……」

「何?その自分には、関係ないみたいな言い方。」

「いや、俺もおまえだったら、キスマーク付けるかもな。」

「えっ……」

どんな意味?私は結城の言葉に、固まってしまった。

「だっておまえ、セックス激しそうだもん。」

その話を聞いていたのか、近くに座っている原田君が、椅子から落ちそうになった。

「原田君、大丈夫?」

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