私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
あれが青川係長の、理想とする上司ね。

理想を追うのはいい事だけど、いつまで続くのやら。

「では、しばし席替えをするけれど、皆は仕事をしていて。」

部長の一言で、皆は動き出した。

「浅見課長~っ!」

湯沢君、泣きそうな顔してる。

「湯沢君、何も隣に移るだけだから、いつでも話しかけに来てくれていいのよ。」

「でも……」

「今度は、新しい課長を支えてあげて。」

「誰でもいい訳じゃないですよ~。」

私が胸がジーンときた。

いい子だな。本当は湯沢君を、二課の課長にした方が私にとっては、都合がよかったかな。

私はチラッと、斉藤さんを見た。

隣で青川君が荷物の整理しているのを、寂しそうに見ている。

特に声を掛けたり、手伝っていたりはしない。
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