私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
いいじゃない、いいじゃない。

彼ならきっと、二課をうまくまとめてくれるわよ。

「斉藤さん、隣がいなくなって寂しそうね。」

青川君はチラッとだけ、斉藤さんを見た。

「来年になれば、新しい人が来ますよ。」

私は目をぱちくりさせる。

「意外とあっさりしてるのね。」

もしかして、柚希ちゃんの片思い?

「彼女、俺がいなくなっても、仕事しなきゃいけないんです。」

青川君は、どことなく彼女を見つめた。

「斉藤さんは、アバウトなところがあって、一見腰掛けのように見えますが、実はキャリア志向が強いんです。」

「そうなの?」

確かに結婚したら、アルバイトがいいって言いそうな子だけど。

「浅見課長のようなキャリアウーマンになりたいそうです。彼女の事、可愛がってあげてください。」
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