私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
それも付け加えてくれるなんて、さすがは結城部長だわ。

「浅見。」

「はい?」

立ち上がって柊真の元へ行く。

「三田は、適当に計算するところがあるから、間違っていたら返すだけじゃなくて、どこが間違っているか教えてやってくれないか。」

「はい。」

そう言うのも、一課では必要なのね。

「あいつ、一課の盛り上げ役なんだよ。いい奴なんだ。」

それとこれとは違うと思うけれど。私も部長の命令には逆らえない。

「分かりました。」

「頼むよ。」

デスクに戻ると、今度は青川君が二課の案件について、質問してくる。

「ああ、この企業は……」

細かに教えてあげると、原田君が立ち上がってやってきた。

「青川課長。僕の企画書、何かありましたか?」
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