私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
そんな事言ってられないのにいいい!

「あれ?青川課長?」

原田君が青川君に、話しかけている。

「どうしました?」

「さっきから承認案件が、営業部から戻されてるんですけど。」

「どの案件が?」

「どの案件と言うか、さっきから承認した案件、全部……」

私は立ち上がって、青川君の席に行った。

「内容は全部確認して、承認ボタン押しているのよね。」

「はい。」

「何でなんだろう。」

私がもう一度案件を開くと、取引先の希望額と予算額の差が開きすぎている。

「……青川君。これ予算額の相違、あり過ぎない?」

「100万単位なら、OKじゃないですか?」

私は言葉を失った。

「私は、50万までなら大丈夫って、教えたつもりだけど。」

「それでは、いい企画は通せません。」
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