私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
完全に、私のやり方とすれ違っている。

しかも、青川君。一課の感覚でモノを見ている。

「青川君。ちょっといい?」

「はい。」

私は窓際に、青川君を呼んだ。

「二課の案件の取引先は、中小企業が多いのよ。それこそ予算が10万違うだけで、営業が契約を取れない時だってあるわ。」

「予算がない中での企画って事ですか。」

「もちろん、予算がない場合でも、精いっぱい取引先の希望に添える事が、大事なのよ。」

青川君は、はぁーっとため息をついた。


「やっぱり一課と二課の課長、チェンジした方がよくない?」

皆の声が聞こえてくる。

「大変です。」

原田君が、私達の元へやってきた。

「承認待ち案件、爆発しています。」

「えっ?」

「一課は2ページ、二課は4ページもあります。」
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