私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
そして柊真が、やってきた。

「浅見、おまえは二課の承認待ちをやれ。」

「えっ?じゃあ、一課の承認待ちは……」

「俺がやる。青川は……」

青川君は、柊真の顔色を伺っている。

「浅見のやり方、間近で見て覚えろ。」

「ですがっ!」

青川君が一歩前に出ると、柊真が彼の肩を掴んだ。

「おまえはもう、一課じゃない!二課の係長なんだぞ!」

青川君が言葉を失う。

「いつまでも一課の感覚でいたら、二課の取引先を失うかもしれない。それでいいのか?」

青川君の辛さが分かってくる。

私でさえ予算額の大小に、こんなにも戸惑うなんて思いもしなかった。


「と、言いますか。浅見課長だって、二課の感覚で一課の案件を取り扱っているではないですか。」
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