私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「あっ、まだでした。」

「ちょっと。それ、昨日の時点でできる事じゃないの?」

「すみません。課長がデートで早く帰るものだから、残業できなくて。」

くわーっ!私のせいにするのか!

残業しなくても、そのくらいできるわっ!

「担当者とか、指定した方がいいですか?期日はどのくらいにします?」

「それを決めるのが、あなたの仕事でしょ。」

「勝手に決めて、怒りませんか?」

原田君の言い草に、ちょっとイライラした。

まるで、男に夢中になってないで、仕事しろよみたいな。


「ねえ、原田君。」

ここで大きな声を上げても、ただのヒステリーだと思われる。

結局、女が上司になるってことは、怒りを抑えられるかが鍵になっているのだ。

「そろそろ原田君も、昇進の為にそういう事もできるようになっていこうか。」
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