私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
「えっ?」

私、間違えた?話、間違えた?

「……じゃあ何?同期に、戻りたいの?」

すると柊真は、吹きながら笑った。

「俺。別れる気も、ただの同期に戻る気もないよ。」

「だって、改めて話があるって。」

すると柊真は立ち上がって、私の前で片膝を着いた。

「えっ?」

ポケットから出した箱からは、ダイヤのリングが光っていた。

「柊真、これ……」

「浅見恭香さん、どうか僕と結婚してください。」

近くの席から、口笛が鳴った。

「あの、柊真……」

恥ずかしくて私は、立ち上がる事ができなかった。

「こんなところで……」

「ダメか?俺とじゃ、結婚は考えられないか?」

体がドキンドキン鳴っている。

何も言葉が出て来なくて、頭をううんと振った。

「恭香。俺……おまえと幸せになりたい。」
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