私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
私も!私もって、何で言えないの!

「社長になれば、苦労もかけると思う。でも、恭香となら乗り越えられそうな気がするんだ。」

感動して、言葉が出て来ないのよ。柊真。

「……好きなんだ。他の女と結婚なんて、もう考えられない。」

私の目から、涙が出てきた。

「俺、恭香と結婚できなら、一生独身でいるよ。だから、だから……俺と結婚してください。」

私はようやく、立ち上がる事ができた。

ここまで言ってくれた柊真に、応える事ができないのなら、彼を愛する資格なんてない。

「……もう、立ち上がって。」

「恭香……」

私は立ち上がった柊真は、指輪の箱をテーブルに置いてしまった。

すかさず私は、柊真の両手を握りしめた。

「結城柊真さん。」

「はい。」

「こんな私でよければ、お願いします。」
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